僕らはどんな価値を生み出そう

今年の2月にエルピーダメモリが会社更生法の申請をしました。ソニーが大量のリストラに踏み切ったのも記憶に新しいです。また、現在ではシャープが鴻海(ホンハイ)が出資の引き受け(被買収の第一歩)の交渉を行なっています。
まだまだ元気な製造業も勿論ありますが、いくつかの製造業が苦戦しているのは明らかです。製造業は、大なり小なり規模の経済で戦うので、売れないと一気に固定費が重くのしかかります。高コストの日本製は、価格競争に傾くとなかなか勝てません。

日本の何が高コストか?人件費と法人税です。法人税が高い理由は簡単で、消費税が低いからです。この話はまた今度にしたいと思います。
日本の人件費は高い。アジアのどの国より高い。しかしこれが問題になることは、これまでありませんでした。比較する機会がほとんどなかったから。しかし今は本当にその「高さ」に見合った価値を出すことが要求されつつあります。人的役務も国境を超えやすくなったからです。
ヒト・カネ・モノのうち、カネ・モノは少し前から世界をかけめぐっています。しかしヒトはそれほど移動していません。タイにはタイ人が、インドにはインド人が、そして日本には日本人がやはり多いです。しかし人件費は世界を巡るようになりました。ITの発達で、日本にいない外国人に仕事を依頼するのが簡単になったからであり、そしてモノを海外で作るようになったからです。

グローバル化というキーワードで、英語がしゃべれるかどうかがまず話題に挙がったりしますが、これはとても小さいことです。外国人と会話をすることと無縁の仕事をしている人々にもその牙(?)は向いているからです。(?)と書いたのは、グローバル化(広い意味での貿易)が、悪いことではないはずだからです。これはデヴィッド・リカードという昔の経済学者が、「比較優位の原則」という理屈で説明してくれました(ググれば5分で概要は分かります)。
ただこれには、当たり前過ぎて提示されていない前提条件が付きます。
それは、その国で「比較優位」のあるその仕事を、その人ができること。
僕の「比較優位」は何だろう?
あなたは何の価値を生み出せますか?
(田原)

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