大人が学びにお金を払うとき、何を買っているのか?

こんにちは。ShareWisの辻川です。

いわゆるEdTechと呼ばれる分野の事業を行っていると、教育に関する様々な事業者の方とお話する機会があります。業種柄、特に社会人の学びについて話すことが多いのですが、その中から特に興味深かった内容をご紹介します。

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ソーシャルゲームのような少額逐次課金(チャリンチャリン)モデルは大人の学びに不向き?

ある英語教材の販売会社の方とお話した際、社会人に対して、教材をどのように販売すべきかを様々なモデルで試したそうなのですが、魔法石を買うような、アプリ内で少額の教材を購入するモデルはうまくいかなかったとうかがいました。

なぜ、ソーシャルゲームでうまくいくモデルが教育アプリでうまくいかなかったのか、その理由を煎じ詰めると以下の事実が大きく影響しているといいます。

脳は本能的に勉強を嫌う

いい波に乗ると新しいことを学んでいくことは、とても楽しい体験になりますが、多くの場合、なんといっても勉強するのは頭に負荷のかかるしんどい体験になります。一方ゲームは中毒性が指摘されるくらい、本能を刺激し、快感を多分に与えてくれます。
課金の仕方を考えたときに、少額で頻度を高くチャリンチャリン課金するモデルは、中毒的についつい何度も買ってしまう、脳が喜ぶ餌には向いているのかもしれませんが、あまり高頻度で発生して欲しくはない、脳がしんどく感じしてしまう体験には向いていないと言えます。

まとまったお金を払うとき人は何を買っているのか?

チャリンチャリンモデルがダメとなると、定額課金にするか一気にまとまったお金を徴収するモデルにするか、というのがありますが、ここでは後者について考えることにします。

多くのスクール事業では、いわゆる入学金というかたちのまとまったお金をスタート時に徴収するケースがありますが、あれも人が何を買っているのかということを考えると理にかなったモデルと言えます。

勉強は得てして脳が負荷を感じる体験になるので、多めの金額をボンッと初めに支払うことで、人はスッキリすることができます。「こんだけ支払ったんだから、もう大丈夫!」といった感じです。

このとき人は学習するコンテンツを買っているのではなく、安心感を買っていると言えます。

「こんな高いお金を払ったんだから、もう英会話は大丈夫!」
「巷で有名なこのスクールに通うんだから、成功したも同然!」
「こんな高級なジムの入会費を払ったんだから、私は変われる!」

海外と日本の両方で教育系のサービスを展開しておられる方に、このような話をすると、こういった安心感にお金を払う傾向は特に日本で顕著だそうです。

学ぶ内容や得られる体験だけでなく、人が何に価値を見出し、お金を支払うのか、そしてそういった知見を踏まえて、どのようなサービスを設計することで、大人の学びをより良くしていけるのか、これらを様々な人との会話を通じて考えを深めていくことはとても楽しいです。
学習サービスが人々に提供する価値について、一緒に考えていけるような人がいらっしゃいましたら、是非チームにジョインしてください!

(辻川)