社内ツールをSlackにIntegrationしたら組織自体Integrationすべきと思った

こんにちは。ShareWisの辻川です。
ShareWisの社内では、業務を行なう上で、色々な社内ツールを利用しています。
社内版IFTTTのZapierで各ツール間を連携させたり各ツールで起こったことの通知をSlackに集めるなど、ツールのIntegrationを推し進めています。


今回は、実際に社内ツールのIntegrationをやってみて気づいたことについて紹介したいと思います。

社内ツールIntegrationの例

具体的に社内でどんなIntegrationをやっていて、どんなメリットがあるのか、いくつか例をあげてみます。

誰が何やってんのか分かる系

asana / Pivotal Tracker / GitHub → Slack

ToDoリストと議事録の掲載で利用しているasana、アジャイル開発の進捗管理ツールPivotal Tracker、バージョン管理のGitHubで誰がどの作業を完了したのか(Pivotal Trackerについては完了だけでなく着手したのかも)をSlackに通知するようにしています。
誰が何をやっているのかを共有することができますし、「なんかすげぇ仕事終わらせて調子いいなぁ。」とか「今日はなんか詰まってんのかなぁ。」などメンバーの調子もそれとなく共有することができます。

Slackでプライベートメッセージを使わない

これは最近メンバーの提案で始めたことで、結構面白い試みなんじゃないかなぁと思っています。
Slackでの会話はchannelと呼ばれるチャットルームのようなもので分かれているのですが、ShareWisの社内では基本的にprivateなchannelは作らず、全メンバーが全channelに参加するような形式にしています。
このような運用ではchannelは、メンバー構成で区切ったチャットルームというよりは、テーマ毎に分けるためのタグのような機能を担っています。
Slackではchannel内での会話以外に、一般的なチャットツールと同じく個々人の間でプライベートメッセージが送れるようになっているのですが、ShareWisでは現在プライベートメッセージを原則送らないようにしています。
Bufferが社内の様子を外に公開しまくっていることが話題になっていますが、組織の透明性を上げる活動も、対社外の前にまずは社内からということで、どんな会話が社内で行われているのかを、全員が見れる状態を作っていこうとしています。

サービスで何が起こっているのか分かる系

New Relic → Slack

サーバ監視ツールのNew Relicの通知をSlackに送るようにしています。
キャンペーンやメディア露出などでアクセスが集まり、サーバが不安定になっていることなど、全員が気付けるようにしています。

Survey Monkey → asana → Slack

ユーザーの声を集めるために実施しているSurvey Monkeyを使ったアンケートの結果をasanaとSlackに投げるようにしています(Slackは通知のため、asanaはアンケート結果をストックしておくため)。
サービスのどこが高く評価されているのか、どこに改善点があるのかを把握することができます。

自社サービス管理画面 → Slack

例えば自社サービスである有料教材のマーケットプレイスACTで講座が売れたときに、売れた講座名や価格をSlackに飛ばすようにしています。
やたらと調子がいい日などは通知の嵐になり、嬉しい反面、通知の量に悩まされることになります。
ここに掲載したのはほんの一例ですが、他のものも含めほとんどのIntegrationが、何らかのかたちでSlackにも通知がいくようになっています。
Integrationの土台の部分にSlackが位置するような構成です。
こうすることで全てのツールで起こったことがSlackに統合されることになります。
通知を飛ばすにせよ、通知なしでSlackにあげるだけにせよ、社内やサービス上で起こったことの全てを見ようと思えば見れる環境を作っています。

社内ツールをIntegrationして気づいたメリット

メリットは業務の進捗共有や、サービスの状態の共有など、各Integrationごとにそれぞれあって、一言で言い表すことは難しいのですが、強いてまとめると、みんなが同じ方向を向きやすくなる、と言うことが一番にあげられます。

組織のあり方を考える上で、僕が教科書的に使っている「学習する組織」では、組織全体を「綜合」することの重要性、システム思考を身につけることの重要性が繰り返し説明されているのですが、これは簡単に言うと、チーム全体で新しいことを学習し、業務やプロダクトを改善するためには、みんなが全体のことを考えて、同じ方向を向くことが最も大切だということを言っています。

全体のことを考える、などというと、個々人が言いたいことも言えず滅私奉公的に働いている状況だとか、トップダウンの指示に従っている状況をイメージする方もいるかもしれませんが、そのようなものとは全く違うものです。
あくまで、個人は個人として自由に動き、やりたいようにやれる状況ではありつつも、全体としては同じ方向を目指して動いているような状態を指します。
人と組織とを工業的に捉える、いわゆる社員を会社の歯車のようみなすこととは、個々人が自由に動けるかという部分え、異なりますし、また逆に、個人が組織に属していない個人として振る舞い、ゆるいつながりでつながるだけ、というのとも、同じ方向を向いているのかどうか、という点で異なります。特に後者については「ゆるいつながり」がバズワード的に扱われることもあり、勘違いしやすいポイントで、僕自身も勘違いして失敗した経験があるのですが、うまく説明できるようになったときに記事にしたいと思います。

社内ツールのIntegraitonが、みんなが同じ方向を向きやすくなる理由

社内ツールのIntegrationが、なぜ組織全体が同じ方向を向くのを促進するのかというと、サービス間のIntegrationというもの自体が、学習する組織のあり方に似ているからではないかと思います。
例えばSlackとIntegraitonさせたことでPivotal Trackerが開発の進捗管理と状況共有の役割を担うようになったものの、Pivotal Tracker単体でも立派な1サービスとして成立しています。
Pivotal TrackerはSlackとの連携で機能が縛られるわけでも、その逆でもないわけですが、Integrationされたツール全体でみると、明らかに良いサービスを作るという共通の目的のために、それぞれが懸命にワークしている状態と言えます。
Pivotal TrackerやSlackを人に置き換えると、これは目指すべき組織のかたちによく似ています。
チャットならチャット、進捗管理なら進捗管理のそれぞれの機能に特化し、それでいて他のツールともうまくIntegrationできるようなツールが、その会社専用に作られたようなツールよりも、業務を効率化させ、広く受け入れられ始めているのは、もしかすると組織自体がそういったものを目指して動いているからなのかもしれないと思っています。
(辻川)

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