無料Webサービス運営者が有料の教育系サービスをリリースして気づいたこと

こんにちは。ShareWisの辻川です。
10月22日に新サービスACTをリリースしたのですが、その経緯とリリースしてみて気づいたことについて紹介したいと思います。
 

教材販売サービスをリリースした経緯

ACTは動画をメインにしたオンライン講座を販売できるマーケットプレイスです。
一方でShareWisは無料の学習サービスで、「知識の地図」というインターフェイス上で短い学習コンテンツを楽しんでもらい、学びたいものが見つかる場所を目指してサービスを展開しています。
収益化のモデルとしては教材メディアと呼んでいるもので、学びたいものが見つかった後、より深い、本格的な有料の学習サービスにつなげて、そこで収益を得るといったものです。

ShareWisはオンラインのサービスなので、つなげる先も、セミナーであったり、学校といったようなオフラインのサービスよりも、オンラインの有料コンテンツの方がスムーズにつながる部分があります(上の図でいう真ん中のUdemyやSkillShareというのが有料のオンラインコンテンツです)。
海外だとオンラインの有料教材系のサービスがプログラミング、手芸、語学など様々な分野で立ち上がっており、2012年に起業した当初は、日本でも有料教材の販売型サービス(特に買い切り型)が、色々な分野で出てくるだろうと思っていました。
しかし、2014年の末になってきても、数えるほどしかそういったサービスが出てきておらず、かつ、その多くがスクール事業がメインの事業者が、補助的なサービスとして展開しているケースがほとんどで、オンライン教材単独で展開しているところは本当に数が少ないというのが現状です。
ShareWisは本屋をウロウロして立ち読みして面白い本と出会えるような体験の本じゃなくてオンライン教材版を目指しているのですが、肝心の本がまだないのでは、本屋をいくら一生懸命作っても提供したい体験を実現できませんし、なにより息が持ちません。
本屋作りだけだけじゃなくて、本作りも自分たちでやろう、有料オンライン教材というコンテンツを自分たちで開拓していこうと思い、ACTというサービスを展開することにしました。
また、無料サービスのShareWisから有料サービスにつなげていく導線についても、クライアント様と色々な形態で展開しているのですが、やはりつなぐ先も自分たちで持っていたほうが色々チューニングし易いというところもありました。
今後はShareWis-ACTの連携をチューニングしながら、面白い本と出会える体験、そして本を読んだら実際面白かったという体験の両面を実現していきたいと考えています。
 

ACT(アクト)をリリースして気づいたこと

今まで無料のサービスであるShareWisを展開してきて、今回初めて有料の教材販売サービスをリリースしたのですが、やはりやってみないと気づけなかったことがたくさんありました。
 

目標が明確だと施策が打ちやすい

目標が明確だと優先順位がはっきりし、アクションにつながりやすいと言いますが、まさにこのことをACTのリリースを通じて実感しました。
サービスを運営する上でKPIなど指標を設定し、その改善に取り組むことが重要ですが、ShareWisの場合その設定とモニターが非常に難しいという問題がありました。例えば登録数なんかを指標に置いたとしても、登録してくれた後に、全く使ってくれなければ意味がないので、指標としては適切ではありません。無料会員-有料会員という明確な線引があれば、そのコンバージョンを指標にする、というのがありますが、ShareWisにはそれもないため、指標の設定に関してVery Hard モードのサービスだなと思っています。
一方、ACTの場合は明確に購入というアクションがあります。
もちろんサービス提供者として、買ってくれればそれでいいのではなく、コンテンツの提供後の体験も満足いただけるものにする必要がありますが、サイトを訪れてくれた方が、サービスに価値を見出し、お金を払っていただく、というアクションは、1つの分水嶺であることは間違いはありません(結婚はゴールではないけれど、結婚自体は大きなイベントだというのに似ているかもしれません)。
Easyモードとは言いませんが、ACTは指標の設定という観点ではShareWisよりもかなりやりやすく、そのため打つべき施策も明確になりました。
目標を立てることの重要性をサービスのリリースを通じ、身をもって実感しました。
 

購入してくれる人が多くて驚いた

オンライン教材販売サービスの事業者があまり多くない理由として、全く売れないことが原因なんじゃないかと危惧していたのですが、実際にACTをリリースしてみると、目標の売上の4倍以上の数値を示し、講座を買ってくださる人の多さに驚きました。
リリースして数週間なのでまだなんとも言えない部分もありますが、しっかり本気で取り組めば大きな可能性がある領域だなと思った次第です。


新しくサービスを立ち上げると当然ながらやるべきこともやりたいこともたくさん出てきました。
一緒に事業に取り組んでいただける人を絶賛募集中ですのでよろしくお願いいたします!
 
(辻川)

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