パワーポイントのスライドを使った授業が恐ろしくつまらない理由

こんにちは。ShareWisの辻川です。

最近、にわかに学習系のサービスが盛り上がりを見せていますが、僕も学習系サービスの従事者の端くれとして、さまざまなサービスを実際に利用し、どんな特徴があるのかチェックしたりします。

特に動画で学習するタイプのサービスは国内外問わず色々と見てきました。

そんな中、思わず最後まで見入ってしまう動画と、開始1分以内で「もういいや」となってしまう動画があることに気づき、その違いは一体どこから来ているんだろう、と疑問に思うことがありました。
そこで、ふと自分が学生だったとき、どういう授業が面白くて、どういう授業が面白くなかったかを考えてみることにしました。

TEDのようにスラスラ話す=面白い授業、ではない

高校のときの化学の先生にすごく変わった先生がいました。
その先生は授業中にしょっちゅう「フリーズ」していました。
化学の法則について解説しているとき、練習問題を解いているときなんかに、ぴたっと動きが止まります。
長い時は5分くらいそのまま微動だにしません。
そしてしばらくすると、何事もなかったかのように、説明を再開し始めるのです。

「ザ・ワールド」が発動したわけではないでしょうから、恐らく先生は考え事をして「フリーズ」していたんだと思います。

そういうふうに、ぶちぶち「フリーズ」する授業でしたから、とても難儀な授業だろうと思う方もいるかもしれませんが、特段授業が分かりにくいとか、内容が頭に入ってこないというようなことは、不思議とありませんでした。

一方で大学の講義で特に多かったのですが、パワーポイントのスライドをプロジェクターで映して、それを解説していくスタイルの授業は恐ろしく眠かったことを覚えています。
「フリーズ」することなく、スライドの内容を理路整然と解説していても、気がつくと頭に何も入ってこなくて、うとうとし始めてしまう、という経験を何度かしました。

大事なのは「追体験」

「フリーズ」する授業とパワポの授業でいったい何が違うんだろう?と頭を悩ませていたとき、Khan Academyの動画を見て、はっと気づくことがありました。

Khan Academyの動画は黒板にチョークで字を書くような見た目をしています。
見ている人はKhan先生の描くペンの動きを目で追いながら、解説に耳を傾け学習を進めていきます。

僕は様々な学習動画を見ていく中で、Khan Academyのスタイルがものすごく頭に入ってきやすいことに気がつきました。

なぜ頭に入ってきやすいか。
その答えは「追体験」にあります。

Khan先生はとても聞き取りやすい英語で、流れるように解説し続けると思いきや、ときどき書き間違えたり、言い間違えたりします。
間違えに気づいたときは、そこでさっと書き直し始めます。

動画を撮影しているわけですから、間違えたら撮り直せばいいと思う方もいるかもしれませんが、実は見ている方からすると、書き間違えや言い間違いは特に気にはなりません。

むしろ、そこは書き間違えやすい箇所なのか、とか、Khan先生でもここは言い間違えるのか、といった具合に先生が間違う姿を見て、逆に多くのことを学習することがあります。

学校の授業でも、先生が噛んだり、黒板の字を先生が書き間違えたりして、でしゃばりのボーイスカウトみたいなクラスメートが手を上げて間違いを指摘する光景がよくありましたが、だからといって、その先生の授業が面白くなく、内容が頭に入って来なかったか、というとそんなことはありませんでした。

Khan Academyの動画は、見ている側に、ペンの動きを目で追わせ解説に耳を傾ける姿勢を要求します。
そこではときどき間違いも起こりますが、それも含めものすごいライブ感があります。

まるで、Khan先生が考えていることを、見ている側が「追体験」しているような感覚がそこにはあります。

この「追体験」の感覚こそが、内容が頭に入り面白いと思えるかどうかに関して、非常に重要な要素だと僕は思います。

パワポの授業は「追体験」を発揮しづらい

「フリーズ」授業 vs パワポ授業の話に戻します。

たとえ途中で時が止まっていても「フリーズ」の授業には「追体験」がありました。
問題を解くとき、ここの計算で頭が停止してしまうのか!ということを僕は「追体験」していたんだと思います。

思えば、面白い授業というのは、例えば世界史であれば、年号を追うごとに世界で何が起こっていったのかを、先生の語り口で「追体験」できるものや、数学であれば紀元前だかルネサンスだかの数学者が考えた発想を、黒板の数式を追っていく事で「追体験」できたとき、新しいことを学んでいくワクワク感を実感していたように思います。

一方で、パワポの方ですが、スライドをプロジェクターで映した瞬間に、見ている方としては、そこに書かれている内容に目がいってしまいます。
特に字がたくさん書いているスライドだったりすると、読むことに気を取られてしまって、先生の話す内容はついでに聞く、そして読み終わると、次のスライドを待つか、ぼーっとして眠くなる、ということが起こりがちです。
そこには「追体験」というものが欠如しています。

もちろん、話し方や、スライドの見せ方をうまく行えば、そういう状況は回避できますし、カラフルな絵やアニメーションなんかは黒板とチョークでは不可能なのでパワポを使った方がいいわけですから、パワポを使うのは絶対ダメという気はありませんが、「追体験」を欠如したスタイルに陥りがちだ、ということは指摘したいと思います。

みなさんも何か人に教える機会があれば「追体験」を意識してみてはどうでしょう。

(辻川)

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コメント

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  3. […] と熱意がないと、成功しないってことでもある。 ——————- パワーポイントのスライドを使った授業が恐ろしくつまらない理由 | ShareWis Blog http://blog.share-wis.com/?p=457 […]