デンマークに学ぶ教育のミライ

こんにちは!ShareWisエンジニアインターン生の山崎です。
少し前に就職活動も無事終わり、落ち着いた日々を送っているわけですが、その就活の中で「人の幸せって何だろう?」ということをよく考えていました。
日本は経済発展に成功した国であるのに幸せを感じる人が少ないとはよく言われているように、自分の周りでも仕事がつまらないと愚痴をこぼしている人や、日々課題に追われて自分の時間がない人など、ストレスを抱えている人が多い気がします。
そういった光景をみていると、「幸せに生きるってどういうことだろう?」「そもそも何のために生きてるんだっけ?」とか、そんな哲学的なことを考えることが多くなった今日この頃です(笑)
そこで幸せな国として有名なデンマークについて色々調べてみました。その中で特に、日本とは異なるデンマークの教育のあり方に感銘を受けたので共有したいと思います。

デンマークってどんな国?

幸せな国デンマーク


(出典:GoogleMap)
北ヨーロッパに位置するバルト海と北海に挟まれた自然豊かで小さな国デンマーク。人口は580万人ほどです。
実は5年以上世界幸福度ランキングTOP3を守り続けている国でもあります。2016年には世界でもっとも幸福な国に選ばれていました。(出典:世界幸福度調査
一方で日本はというと、昨年から3つ順位を落として世界第57位(2018年)
もちろん1つの指標ではありますが、比較からもデンマークの幸福度の高さがわかります。

ワークライフバランスを重視

  • 労働時間は週37時間まで
  • 年に5週間の有給休暇

デンマークにはこのような制度があります。月〜木は8~16時で働き、金曜は13時まで。こんなに時間があればプライベートをゆったり過ごせそうですね。
このようにワークライフバランスを重視する一方で、デンマークは仕事の生産性も高いのが特徴です。一人当たりの名目GDPは53.444ドルで、この数字は日本の約1.5倍です。(出典:世界の一人当たり名目GDPランキングライフを重視しているように見えて、仕事の生産性が高いことには驚きます。

充実した福祉制度

  • 大学まで学費無料
  • 18歳以上の一人暮らしには毎月6~10万円支給
  • 医療費基本無料
  • 介護一生無料

などなど福祉制度も充実しており、とても住みやすい国であることが想像できます。これが成り立つ背景には税率の高さが挙げられます。
デンマークでは、「消費税率25%」、「所得税・住民税約25%」「自動車税180%」など、他の国と比べても税率がかなり高いです。このような制度から、富は広く分散されて、低所得者でも暮らしやすい環境があることがわかります。
しかしその反面、たくさん稼ごうと思ってもその大半を税金として国に収めなければならないため、労働意欲が保てないのでは?という疑問も浮かんで来ますが、デンマークでは働くモチベーションがそもそも違うそうです。
多くのデンマーク人が自分の仕事を好きだと感じ、自主性を持って仕事をしているそう。仕事に支配されず、自分でやることを決めて実践し、その成果を実感できる。このような充実した時間に対してモチベーションを感じているのでしょう。
ちなみに主体性を持って物事に取り組むことや充実感を持つこと、リラックスした状態のことをデンマークでは「Hygge(ヒュッゲ)」というそうです。その意味は幅広く、仕事以外にも友人と過ごす楽しい時間や主体性を持って読書をしたり勉強をしている時間、一人でゆったりくつろいでる時間、スポーツする時間などのことを「Hygge」と言う文化があります。
デンマーク人はこの「Hygge」をモチベーションにして生活していると言ってもいいかもしれません。

デンマークをつくっている教育とは

国は「人」によって成り立っています。仕事もプライベートも楽しんでいるように感じるデンマーク人は一体どのような教育を受けているのでしょうか?

個人の尊重

デンマークの生徒たちは家庭でも学校でも「自分は何がしたいか?」「自分ならどうするか?」と問われ続ける文化があります。
デンマークの授業では、日本で一般的な受け身形式ではなく、生徒が積極的に議論に参加する形です。ある課題に対してグループで課題解決を目指していくスタイルのため、はっきりとした自分の意見が求められます。
何かを強制するのではなくて自分でどうしたいか考えさせる文化によって、自分がやりたいことを尊重される。それはアイデンティティの確立や自己肯定感の高まりに繋がっていきます。同時に他者の個性を尊重することにも繋がり、デンマーク人のオープンでフラットな国民性に表れているのでしょう。

中学2年生まで試験がない

デンマークの小中学校では点数による序列化が法律によって禁止されているので、試験がありません。そのため周囲を気にせず自分のやりたいこと、得意なことに集中することができ、自信をなくすことがあまりないと言われています。
日本では入試や学校のテストでの競争など「何ができるか」が重視されますが、デンマークでは「何がしたいか」が重要視されます。

フォルケホイスコーレ

デンマークでは大人でも多くの人が学校に入り学ぶ文化があって、例えばフォルケホイスコーレという学校があります。デンマークに約70校ほどある全寮制の成人教育機関で、18歳以上なら国籍を問わず誰でも学ぶことができます。入学試験もなく簡単に入れるそうです。
授業は語学、哲学、デザイン、アート、建築、陶芸、スポーツ、音楽、食、ライフスタイルなど様々な科目から自由に選んで学ぶことができます。
ここに入学する人は様々で、
「自分の得意分野をもっと伸ばしたい人」
「そもそも自分は何に興味があるのか考え直したい人」
「ゆったりした時間の中で自分の人生について見つめ直したい人」
などいろんな目的の人がいます。
授業以外の時間は芝生に寝そべって考え事をしたり、友人と談笑したり、自由に過ごせますが、一貫して言えるのは「自分はどんな人間で何がしたいのか?」という自己実現の心を育てる場所だということです。
フォルケホイスコーレについてはいろんな方が発信しているのでぜひ参考にしてみてください。EPOCH MAKERSというサイトが面白い記事が多くおすすめです。

まとめ

デンマークについて色々調べていく中で、一人一人が自分の人生に明確な意味を見出して暮らすことで、国民の幸福度が高いのだということがわかりました。そんな国民性を生み出す背景に、独特の教育文化がありそうです。
モノが充足し、これまでと同じやり方では人生に幸福を感じにくくなった今の時代。デンマークのように一人一人が自分らしい選択をし、自分で自分の幸せを決めていく力を伸ばしてあげることが大事になってくるのではないでしょうか。
 
参考記事↓
EPOCH MAKERS
幸福度世界一のデンマークの教育とは?
「世界一幸せなデンマーク人」と日本人の違い(東洋経済)
 

コメント