こんにちは。ShareWis代表の辻川です。
昨年11月、健康のためにと上級者でもないのに1ヶ月に2回フルマラソンに参加するという暴挙に出てしまい、足の指の爪が内出血で真っ黒になってしまったのですが、春が訪れてやっとこさ普通の色に戻ってきました。
年々、健康に対して気を揉むことも増えてきたなぁと思うのですが、スタートアップにとって健康な状態というのはどういう状態なのかを考えてみました。
今日はそんなヘルシーなスタートアップの必要十分条件についてお話ししたいと思います。
スタートアップの健康指標
個人の場合、健康の指標としては、気分や朝起きたときの爽快感といった主観的なものから、血中成分や体脂肪率なんかの定量的な指標などがあります。
企業にとっての健康指標について、ぱっと思いつくものをピックアップしてみました。
キャッシュが豊富にあること
キャッシュ、大事ですね。社長の仕事は、ビジョンを描くこと、チームを作ること、そして銀行口座の残額をチェックすること、なんて言われますが、お金がないと事業に投資することも給料を払うこともできません。
そんな超超重要なキャッシュですが、口座に預金がいっぱいあればそれでいいのかと言われればそんなわけではありません。お金を貯めるよりも賢く使う方が難しいですよね。
必要十分条件の話でいくと、必要条件ではあるけれども十分条件ではないと言えます。
黒字であること
論より証拠。夢見がちと揶揄されたアイデアでも、きちんと黒字化した事業に育てることができれば、誰もぐうの音も出せません。
黒字になっているということは、人件費なり材料費なりを引いてもきちんと付加価値を付けて世の中に提供できているわけですから素晴らしいことです。
一方で先行投資という言葉がある通り、Amazonが利益を出さなかったり、黒字化を急ごうと思えば急げるけれど、将来の成長を鈍化させないためにも、今は利益を追わないというスタンスを取ることが必要だったりします。
これまた、必要条件ではあるけれども十分条件ではないと言えます。
優秀なメンバーが揃っていること
会社は人。特にスタートアップはほとんど人。人材はとても大事です。
素晴らしい事業に優秀な人が集まり、優秀な人が素晴らしい事業を作るわけです。卵が先か鶏が先かみたいに聞こえますが、これは明らかに優秀な人がいてこそなせる業です。
なので、この条件はスタートアップがヘルシーであることの必要十分条件に近いと思えますが、優秀の定義が会社が置かれている状況やステージによって変わってくるので注意が必要です。
優秀さにも色々あって、スキルが高いとか人間性が良いとかありますが、会社の規模によって求められる優秀さが変わってきます。スタートアップの場合、自社の理念や事業のコンセプトに合ってないと大変です。組織が小さい分、1人が組織に影響を及ぼす度合いが大きいので、理念に沿うか沿わないかの寛容度が大企業よりもシビアになります。
企業のステージに応じて、必要とされる優秀さが変わるので、ある時点では優秀だった人が、優秀でなくなったり、その逆もありうるわけです。
「優秀なメンバーが揃っている」という条件については、「そのステージで求められる」という前置きが付くので、企業がどのステージにあるか?これから何をしようとしている上での優秀さなのか?が、条件に影響を及ぼす図式となります。
素晴らしいプロダクトがあること
クールなプロダクトに憧れて顧客も従業員もお金も集まるという状況はまさにヘルシーな状況です。
プロダクトが指すものの意味を、単にそのWebサービスやアプリのコードと捉えるのではなく、運用面や保守面、サポート体制や各種ワークフローまでをひっくるめてプロダクトと定義するのであれば、ヘルシーなスタートアップと素晴らしいプロダクトはほぼ同じものを指していると言えます。言い換え、トートロジーと言ってもいいのかもしれません。
そんな状況はまずありえないのですが、思考実験として、今まさにイケイケのWebサービスが、その業界に疎くスキルも高くないチームに譲渡されたとき、そのプロダクトは価値を失うことなく輝き続けるのでしょうか?あるいは、そのような組織はプロダクトを手に入れることで、ヘルシーなスタートアップに突然変身できるのでしょうか?
恐らく答えはNoだと思います。最初は価値があっても、そのプロダクトを改善し続け、また、ワークフローをしっかり回し続けることができなくなれば、素晴らしかったプロダクトも徐々に陰っていくはずです。
今行っている、これからやることへの自信が高いこと
各メンバーが「今行っている、これからやることへの自信が高い」という状況。色々考えたところ、ヘルシーなスタートアップの必要十分条件としては、これがぴったりくる気がします。
ここで言う「自信」は、今行っている、これからやることが、事業の成長にも確実に寄与し、しかも、会社のミッションとも整合性が取れていて、将来目指したい姿に繋がる行動をとってるんだ、という感覚です。
もちろん、未来のことは誰にも分からないので、自信が挫かれる結果になることも多々ありますが、今々においては自信を持って取り組めていればヘルシーな状況なんだと思います。
人員構成やキャッシュの量、プロダクトの品質と比べると、すごく主観的なものではありますが、このような心理状況を達成できれば、まさにヘルシーな状況と言えるのではないでしょうか。
体の健康の場合、健康優良児も歳を重ねるにつれ、不摂生な生活を送ることで、徐々に生活習慣病を患っていきます。創業当初はお金も人もプロダクトもなくても、自分たちのやっていることが正しいという自信があれば、非常にヘルシーな状態といえます。そんな企業も、さまざまな困難、プレッシャーにさらされることで、ヘルシーさを失っていくのかもしれません。
しかし、個人で言えば、運動をしたり、食事に気をつけたりすること、スタートアップで言えば、日々の仕事の意味を考え直したり、さまざまな人とコミュニケーションを取ることで健康は取り戻せるはずです。
ヘルシーなスタートアップの必要十分条件について、それっぽいものをいくつか挙げてみました。
翻って今の弊社はヘルシーなのかというと、自分の中では創業以来と言っていいくらいヘルシーな状態だなと感じています。
対外的には常にヘルシーな状態だと喧伝するのが、代表の1つの仕事なのかもしれませんが、そんなポジショントークは抜きにしても、はっきりとこれから取り組むべきことが見えていて、自信もある状態と言えます。
健康指標でとりあげた「優秀なメンバーが揃っていること」については、その条件を達成するためにメンバーを絶賛募集中なので、ご関心ある方は下記のボタンをクリックしてください!
あっ、必要十分条件は満たしているのに、他の条件が必要ってどういうこと!?という状況に気づいたので、この記事は破綻しています。
必要十分条件についてきちんと教えてくれる人も募集中ですm(_ _)m
(辻川)
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